お子さんが急にのどが痛いと言い出した時、色々な原因が考えられますが、溶連菌もその原因の一つです。
潜伏期間や感染の予防についてももちろん、潜伏期間中の人と接したら感染するかなどについても調べてみました。
溶連菌感染症の概要と症状
溶連菌とは、正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、溶連菌感染症の90%以上がA群によるものです。
なので、一般にはA群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)によるものです。
主に“のど”に感染して、扁桃炎や咽頭炎、それに小さく紅い発疹が伴う猩紅熱(しょうこうねつ。小児に多い発疹性伝染病)といった病気を引き起こします。
2~3才から小学校低学年くらいがかかりやすいようです。
主な症状は、発熱(38〜39℃)と喉の痛みです。
しかし、3歳未満の場合ではあまり熱はあがらないと言われています。
そして、体や手足に小さくて赤い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりするイチゴ舌とよばれるものがあります。
その他には腹痛、頭痛、首すじのリンパ節の腫れなどもみられます。
急性期を過ぎると、発疹のあとには皮むけ(落屑)が認められるようになります。
風邪と違い、鼻水や咳はほとんどないという点もこの病気の特徴です。
また、中耳炎、副鼻腔炎、伝染性膿痂疹、蜂窩織炎、丹毒、肺炎、菌血症、トキシックショック症候群などになることもあります。
「201302 5 259健康講座 小児科 溶連菌感染症」
溶連菌の潜伏期間。潜伏期間中も感染する?
溶連菌の潜伏期間はだいたい1~7日です。
溶連菌はくしゃみや咳などで近くの人に飛沫感染しますが、溶連菌に汚染された食品などが原因のこともあります。
家族がかかったら大人も含めて検査しておくと良いです。
薬を飲み始めて24時間以上過ぎれば感染リスクは抑えられます。
潜伏期間中は感染するかどうかについて調べましてみましたが、はっきりした情報は得られませんでした。
それに付随した情報だけになりますが、もし潜伏期間中の小さいお子さんと、飲み物などを飲み回した場合は、一回口に入ったものがコップに逆流していることも多いですし、溶連菌以外でも、経口感染する病気なら、うつる可能性は高いようです。
そういった場合は、大事をとって検査に行くのもよいかと思いますが、潜伏期間中の検査については、溶連菌かどうか判断するのが難しいこともあります。
発症してからでも反応が弱くて風邪と間違われることもあるとのこと。
ただ症状が出てない子でも、兄弟間での溶連菌や、経口感染する風邪の場合は、医師が確実にうつってるだろうと判断して、薬が出ることはよくあるそうです。
溶連菌の感染期間、投薬期間
“のど”についた細菌検査の中で、溶連菌については、10分以内に結果が出るので、溶連菌かどうかはすぐにわかります。
熱やのどの痛みといった症状をやわらげるお薬のほかに、抗生物質を飲みます。
薬を飲み始めてから2〜3日で熱が下がり、のどの痛みも和らいできます。
重大な合併症(続発症)を引き起こさないために、確実に溶連菌を退治して、症状が消えても抗生物質はしばらく飲み続けなくてはいけません。
一部の抗生物質を除いて、通常10日間飲み続ける必要があると言われています。
決められた期間はしっかり抗生物質を飲んでおかないと、ときに、リウマチ熱(心臓弁膜に障害などを起こす)や、急性糸球体腎炎といった合併症(続発症)につながることもあります。
繰り返しかかることもありますし、大人になってもかかります。
溶連菌感染症と似たブツブツ(発疹)が出る病気
【手足口病】
手・足・口の中・舌など皮膚が柔らかい部分に、赤くて真ん中が白いブツブツができる。
熱は出たり出なかったりする。
溶連菌感染症は秋・冬・春に発症することが多いのに対し、手足口病は夏に発症することが多い。
家で安静にしていれば1週間ほどで治まることが多い。
【風疹】
小さな発疹が全身に出て、耳の後ろが腫れたりする。
熱は出たりでなかったりする。
大人がうつると子供より重くなりがちな病気で、特に妊娠初期の妊婦さんが感染すると、お腹の赤ちゃんに難聴などの影響がでるおそれがある。
【水ぼうそう】
全身にかゆみを伴う水疱(水っぽいブツブツ)が拡がっている。
熱は出たりでなかったりする。
【麻疹(はしか)】
発熱の後に発疹が出ることが多い。
熱が1度下がりかけて、再び高熱がぶり返したときに全身に赤い発疹が出たりする。
合併症が怖い病気。
【水イボ】
熱とかゆみはなく、脇の下・手足の指・足の裏などに小さく盛り上がった発疹が出る。
溶連菌感染症による出席停止、出勤停止について
抗生剤治療開始後24時間以上経過し、発熱がなくなり、通常の食事がとれて全身の状態がよければ、たいていの場合、出席・出勤しても問題ありません。
長くても初診日(抗生剤内服日)と翌日を出席停止にすれば問題ないと言われていますが、地方自治体によって基準を設けているところもあるので、地元の小児科医なら分かっていると思うので聴いておきましょう。
お子さんの場合、熱が下がってから、伝染のおそれがなくなってから、発病後7日を経過してから、治癒してから、など色々な指摘をされることもあります。
抗生物質が効いて、熱が下がり、病状から周りに伝染する可能性がないと判断されれば、問題ありません。
溶連菌の感染を防ぐための注意点
溶連菌の感染率は兄弟間では約50%、親子間では約20%との統計もあるくらいです。
家族内で手洗いうがいを徹底することが基本です。
お子さんならチェックして上げるようにしましょう。
衛生的手洗い方法のご紹介
先ほども書きましたが、溶連菌はくしゃみ・咳などの飛沫感染のほか、溶連菌に汚染された食品でも感染します。
食器を分けることなども行っておきましょう!