風邪のあとに長引く喉の痛み、また軽い風邪かなと思うような喉の痛みが長引く場合は、他の病気を疑ってみる必要があります。
総合的に10日以上長引くようであれば怪しいと言われています。
大きな症状ごとに大別してご紹介します。
長引く喉の痛み。風邪以外の病気・風邪と併発してる症状は?
のどが痛い
1)慢性扁桃炎
風邪をひいた時はいつも、熱がでて喉が痛くなる。
見てみると扁桃に白いポツポツとしたものが見えます。
原因となる細菌はブドウ球菌、レンサ球菌などです。
子どもの場合は溶血性連鎖球菌といわれる細菌も多いです。
病巣感染症といって、扁桃自体にはあまり症状がないのに、他の臓器、たとえば心臓、腎臓、皮膚、関節などの病気を引きおこすこともあります。
2)扁桃周囲膿瘍
ごはんが通らないくらいの喉の痛み。
扁桃をみてみると、特に片側のほうの腫れが強く、真ん中まで張り出しています。
扁桃の周りに膿瘍をつくった状態。
風邪などで起こる「急性扁桃炎」につづいて起こることが大部分です。
3)急性喉頭蓋炎
ごはんが飲み込みにくい。
声もだしにくく含み声になったり、息も苦しい
急性喉頭炎(※後述します)のなかで喉頭蓋(のどのフタ)に細菌感染が起こった場合をいいます。
乳幼児に多い炎症で、気道が閉塞されてしまう危険があります。
原因はB型インフルエンザ菌(風邪のウイルスとは異なります)であることが多いとされています。
「急性喉頭蓋炎」
声がかすれる
4)急性喉頭炎
風邪をひいて喉の痛みも少しあるが、声が急にでなくなった。
急性咽頭炎(のど風邪)や急性鼻炎(鼻かぜ)と同じおこり方をし、これらはしばしば一緒におこります。
総称して急性上気道炎といわれています。
5)声帯ポリープ
大きな声を出したら声が急に悪くなった。
時には声の高さが二重のようににごって聞こえる。
声帯の中央から前の方に、多くの場合は片側だけのポリープができます。
ポリープができる原因は発生による激しい振動で血管が破れて出血し、「血豆」ができることによります。
6)声帯結節
仕事柄、いつも大きな声で長く話したり歌ったりする方に多いです。
声帯の中央から前方の両側に結節(直径1cm以上の充実性の隆起)ができます。
声帯の酷使によってできる”タコ”。
発声を職業とする歌手・僧侶・教師などに多く、また無理な発声法をしたり大声で遊んだりする小児にもみられます。
7)喉頭癌
タバコ、酒の量が多いひとで、声が乾いたようなかれた声、ときに息苦しいこともある。
扁平上皮癌というものが大部分。
男女比が10:1で圧倒的に男性に多い癌です。
歌手で音楽プロデューサー、シャ乱Qの『つんく』さんも喉頭癌にかかり、一度「完全寛解」を発表するも、がんが再発見され2014年10月に声帯摘出したことが明かされました。
つんくさんは喫煙はされていなかったとのことですが、喉頭がんを最も誘因するものは喫煙といわれています。
アルコール多飲も同様なので、リスクはできるだけ減らしましょう。
「喉頭がん/ミルメディカル 家庭の医学 動画版」
8)反回神経麻痺
発声すると空気が抜けたように声に力がなく、息が切れる。
水を飲むとむせてしまう。
声帯の動きは反回神経というものによって支配されています。
反回神経が迷走神経から分かれて喉頭にはいるまでの間に、なにかの原因で麻痺が生じた場合です。
脳の病変はもちろん、甲状腺腫瘍、縦隔腫瘍、食道腫瘍や肺癌によって麻痺することがあります。
また原因不明のウイルス感染により麻痺することもあります。
飲みこみが悪い
9)下咽頭癌の疑い
以前からタバコや酒は多い方だが、飲み込むときに喉にひっかかるような感じがあり、痛みもある。
喉頭と同じく、大部分が扁平上皮癌です。
喫煙や飲酒と密接な関係があると考えられています。
10)嚥下障害
脳卒中(脳血管障害)の後に、物が飲み込めない。
水っぽいものが特にむせて食べられないなど。
嚥下障害は喉頭、咽頭、口腔、食道の腫瘍病変を除くと、脳卒中(脳血管障害)が最も多く、神経筋疾患も少数みられる。
11)咽喉頭異常感症
喉の痛みがあるわけではないが、実際に飲み込みが悪かったり、何かのどがつまったような感じがあり、癌ができたのではないかと不安になる。
喉頭、咽頭、食道、甲状腺などに腫瘍や炎症があれば当然のどに何かひっかかったような感じがしますが、さまざまな検査をしても病気が見つからない場合にこの病名をつけられます。
この喉の痛みに該当するかも。何科に行けばいい?
大人の場合は内科、子どもの場合は小児科にまずはかかりましょう。
耳鼻咽喉科や外科を併設している病院にしておくと、その後に外科手術などが必要になった場合などにも対応ができます。