インフルエンザの予防接種時期になりましたね。
予防接種にあたって不安なのはやはり副作用。
また、大人の約75%がワクチンを打たないというデータがありました。
今回はインフルエンザ予防接種の副作用、多くの人がワクチンを打たない理由について調べました。
インフルエンザ予防接種の副作用(副反応)のパターン
ではさっそく副作用のパターンについて紹介します。
接種箇所に起こる副作用(10~20%の確率)
腫れ
痛み
熱を帯びる
硬くなる
上記のような症状は、通常2,3日でおさまります。
全身に起こる副作用(5~10%の確率)
頭痛
悪寒
下痢
嘔吐
倦怠感
めまい
リンパ節腫脹
一過性の意識消失
これらの症状も通常2,3日でおさまります。
救急を要する重篤な副作用(非常にまれ)
アナフィラキシー症状
アレルゲン(アレルギーの原因)に対して、過剰反応が起こることで全身にアレルギー症状が現れます。
蕁麻疹、呼吸困難、嘔吐、失禁、意識を失うなどの症状が急激に現れます。
最悪の場合死亡するケースまであり、短時間で危険な状態になることもあります。
予防接種に限らず食べ物・蜂の毒・薬物などでも起こる症状です。
また、インフルエンザワクチンは卵アレルギーを起こすアレルゲンが残っている可能性があるため、該当する方は医師に申し出てください。
・ギランバレー症候群
発生率10万分の1と言われます。
自己免疫異常の一つで、運動神経に炎症が起きて手足に力が入らなくなります。
手足のしびれ感を伴う初期症状が多く、数日~4週間以内に手足が動かなくなります。
治療すれば良好になることが多い病気で、3〜6カ月程でほぼ完全回復する方が多いです。
しかし10〜20%の方は後遺症を残すようです。
急性散在性脳脊髄炎
ウイルス感染の後や予防接種後に脊髄を中心とする中枢神経に炎症が起きて、けいれん、頭痛、発熱、運動障害、意識障害、呼吸困難など重体になることがあります。
予防接種後、数日~2週間ほどの間に起こることが多いです。
ぜんそく発作
肝機能障害
もし痙攣などの異常な症状が現れたときには、速やかに医師に相談してください。
予防接種後30分ほどは、医師とすぐ連絡がとれる状態にしておいたほうがよいでしょう。
「新型インフルのワクチン接種で4人に重い副作用確認(09/10/23)」
インフルエンザの予防接種で副作用はなぜ起きる?
予防接種ですが、あえてウイルスを身体に打つことによって抗体をつくる、というのは聞いたことがあるかもしれません。
ただ上で紹介したような副作用が出ると「ウイルスに負けてインフルエンザになってしまったのでは?」とも思いますが、そうではありません。
予防接種は大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2つがあり、インフルエンザワクチンは後者の「不活性化ワクチン」にあたります。
この不活化ワクチンは、ウイルスや細菌を殺し毒性をなくしている状態なので、ウイルス増殖がされません。
その上で免疫をつけるのに必要な成分を取り出して予防接種に使用しているので、インフルエンザになることはないのです。
(生ワクチンは生きたウイルス・細菌を弱毒化したもので、増殖機能があります)
ではなぜ様々な副作用が起きるのかというと、体内に入ってきたウイルスに対して身体が抗体をつくろうと反応しているためです。
ちゃんと抗体がつくられている証拠でもあるんですね。
インフルエンザの予防接種を大人はなぜ受けないの?
雪印メグミルクの意識調査により、2013-2014シーズンの20~60代男女で予防接種受けなかった人は74.5%というデータが出ていました。
予防接種を受けなかった理由としては
1位「高価だから(29%)」
2位「病院に行くのが面倒だったから(27%)」
とのこと。
さらに予防接種を受けなかった理由のうち、過半数の人が予防接種という行動自体への抵抗感を挙げていました。
具体的には
「病院に行くのが面倒」
「病院に行く時間がなかった」
「注射は嫌い」
「副反応(副作用)が怖い」
これらのいずれかひとつ以上を選択した人が53%。
ただ「もし学校で予防接種が無料実施していたら」という仮定に対しては、自分の子供に「受けさせたい」というのが79%にのぼりました。
やはり価格への抵抗感も強いようです。
この調査は予防に関するものですが、実際になにか症状がでても同じような理由で病院へ行かない人も多いかもしれませんね。