京都の三大祭の1つ葵祭のハイライトはやはり美しい斎王代の行列です。
斎王代はどうやって決められるのでしょうか?
決め方や費用、歴代斎王代について紹介します。
葵祭 斎王代とは
上賀茂神社と下鴨神社で五穀豊穣を祈願する祭りが、平安遷都を境に国家的な祭りになりました。
平安時代にはまつりといえば葵祭のことを指していました。
810年、嵯峨天皇が伊勢神宮の斎王にならって、賀茂神社にも斎王を置いたのが葵祭の斎王参加の始まりです。
斎王(いつきのひめみこ)は、潔斎して神に仕えます。
未婚の内親王、女王などの皇族がお務めされていました。
最近では、伊勢神宮の遷宮で黒田清子さん(元紀宮清子内親王)が臨時斎宮に立たれています。
未婚ではないですが、元内親王として立派に果たされていましたね。
承久の乱で賀茂神社の斎王は途絶えてしまいました。
以後葵祭には勅使は出るものの、斎王が復活しませんでした。
現在は勅使も途絶えています。
昭和28年に葵祭を復活する際に、行列を華やかに盛り上げるため、斎王に代わる人として斎王代を立て、その女性を中心にした女人列を作りました。
葵祭 斎王代の決め方
斎王代は民間の未婚女性が選ばれることになっています。
一般公募などは一切ありません。
斎王代は、賀茂神社の神に遣える為に巫女としてのお勤めをする必要があります。
京都ゆかりの寺社・文化人・実業家などの令嬢(主に20代)から選ばれます。
4月の中旬頃に葵祭行列保存会が発表します。
斎王代の選考方法は一切が未公開で、そこが京都らしくステータスにもなっているようです。
葵祭の日程などはこちらの記事で紹介しています。
斎王代の費用
斎王代としてお役目を終える為には数千万円という費用を自腹で払う必要があります。
衣装代、クリーニング代、その他にも関係者への心づけ、神社への奉納料などなどがかかります。
令嬢から選ばれるのは、この自腹を切れる家である必要があるからです。
2014年の葵祭にて華やかな斎王代が行く 2014/05/15
葵祭 歴代斎王代の傾向
家柄がよく、高学歴(京大、同志社、甲南女子、ノートルダムなど)、茶道、華道、日本舞踊などを特技とする京のお嬢様が選ばれます。
資金が必要といっても、一代で出世したようなお金持ちなら大丈夫ということはありません。
京都の上流社会にしっかりと根をおろした家のお嬢さん、京都の文化を肌で感じて育った人が選ばれます。
こちらで歴代斎王代の方々の確認ができます。
2014年の第59代斎王代は神戸大2年生だった太田梨紗子さんです。
京都市上京区にお住まい。
京菓子製造会社「老松」の4代目当主の長女で、大学で美術史を学び、特技は今様と手芸と、まさに京都という女性です。
趣味は歴史学と美術鑑賞。
兄の侑馬さんが15年前に祇園祭で長刀鉾の稚児を務めたこともあり、一家が葵祭に長年貢献してきたことが伺われます。
容姿も当然美しく、演劇部所属ということもあり、見られるということに慣れている印象もあって頼もしいです。